新型コロナ感染症に対する「緊急事態宣言」が出されて1年以上が過ぎましたが、未だ終息の兆しが見えて来ません。この間、医療生協では感染対策や職員の行動指針を一つ一つ作成しながら職員を守り、地域医療を守ってきました。しかし、2月になり当法人の介護施設でクラスターが発生してしまいました。
第4波は今までの新規感染者数を大きく上回り、変異株の脅威を示しました。大阪地区での医療崩壊の現状の報道を見ながら、宮崎でも同じようになると肌で感じていました。その中で、行政からは陽性者の診療を要請され、感染対策のために改修した病院の施設を使って5月は入院治療を行ってきました。そして、それに向けて医師そしてスタッフの配置の調整を行ってきました。
コロナの診療があるからと言っても、今までの診療はなに一つ減るわけではありません。救急も断りなく対応し、発熱外来もそして、一般の診療も変わってはいません。研修医を含む新人さんたちにも頑張っていただき、新型コロナ感染症を何とか乗り切ろうと毎日奮闘しています。
しかし、病院も含めて、診療所や介護事業所での緊迫した日々は、精神的負担も大きくメンタル不全になる職員も少なくありません。退職者も出てしまいました。感染症蔓延(まんえん)の中で、直接的な接触を控える新しい生活の中でも、お互いに声を掛け合い何でも言いやすい雰囲気を維持することに心がけています。先日、院外の精神科医も交えてストレスを減らすための委員会をスタートさせました。
この経過で、宮崎医療生協ではやっとワクチン接種が開始されました。コロナ診療を含め、日常業務が増えて行く中でしたので、地域のため、組合員さんのために必要な業務とはいえ、これに踏み出すためには、何度も医療生協の役割を議論する中で、本当に遅くなりましたが、やっと開始する事が出来るようになり、規模も増やす事が出来るようになりました。組合員さんにはこの間の議論の経過を報告してこなかった事は、「共同の営み」を理念に掲げる医療生協として誠に申し訳ありませんでした。
(宮崎医療生協 常勤理事会)